インターネットがマスコミやメディアに大きくかかわっている現在、これらに関連するビジネスは今、まさに花形産業といえよう。

しかし、7年前ウェブデザイン&アプリケーション・プログラミング製作会社「tango web media」(以下タンゴ・ウェブ)を設立した時、「いったい何をする会社?」という目で見られたこともあった。

それが経営者のタン・ニョー(Tan Ngo)、白沢真紀子夫妻の努力とバイタリティー、そして時代の要求にマッチしてビジネスは大きく発展していった。

また、トロントの企業家のグループ「新企会」の理事としても大きく貢献している。

二人に彼らのビジネスに対するポリシー、仕事内容についてうかがった。

ふたりで5カ国語を駆使

「タンゴ・ウェブ」の社名はタンさんの名前から取ったもの。彼らのビジネスの大きな強みのひとつは真紀子さんが日本語、スペイン語、フランス語、英語、そしてタンさんが英語、フランス語、ベトナム語とふたりで5カ国語を駆使していることである。

「どうしてそんなに語学が?」という疑問に答えるためにかれらの生い立ちを振り返ってみよう。

真紀子さんは1973年、南米パラグアイの首都、アスンシオンで日系二世として生まれる。両親は貿易会社を経営している。当然、現地ではスペイン語が母国語なので、真紀子さんもスペイン語を話すことになる。

「家では日本語でしたし、週末を除く毎日現地の学校のあと、日本人学校に行って、2時間ほど日本語を勉強していました」

地元の高校を卒業したあと、動物が好きなこともあって、北海道江別市(札幌市郊外)にある北海道酪農学園大学の文理短期大学教養学科に入り、2年間教養課程を学ぶ。

そのあと、1994年カナダへ。

「妹がたまたまモントリオールのマギル大学に入るというので、私もケベックへ行くことになりました」

真紀子さんはモントリオールで美術、広告、マーケティングなどを学び、モントリオール大学を卒業して文系学士号を取得。

北米で学んだ技術や知識を生かすためパラグアイに戻り、白沢商工のインターナショナル部門で働く。さらに隣国のチリへ行き、1年ほどサンティアゴでレストランのマネジメントに携わる。

2000年、トロントへ。2003年カナダ移住権を取得し、タンさんと結婚。

一方、タンさんは1974年、モントリオールでベトナム系三世として生まれる。フランス語、英語とベトナムを話すトライリンガルである。

モントリオールの工科大学(ポリテクニック)工学部で2年間学んだ後、トロントのセンテニアル・カレッジのマルチメディア(現在はニューメディア)部門で3年間学ぶ。卒業後、トロント市内の印刷会社でプロダクションアーティスト、グラフィックデザイナーなどとして経験を積む。

次に広告会社に入社して、ウェブデザイン、プログラミングのスペシャリストとなり、オンラインサポート会社に入って経験を積む。

さらにカナダ政府機関のひとつで、経営者を育成するSEDI(Social and Enterprise Development Innovatuer)でトレーニングを受ける。

2001年5月、タンさんは「tango web media」(タンゴ・ウェブ・メディア)を設立。

ふたりが知り合ったのはモントリオールで、真紀子さんが大学卒業間近のころ。

真紀子さんがタンさんのビジネスにジョイントした形で、事業内容がさらに拡張した。真紀子さんの美術やマーケティングの勉強がタンさんの仕事に大いにプラスになったことはいうまでもない。