2008年3月14日付でカナダ移民法改定案が発表されました。その中にはカナダ移民選択方法の大幅な変更が盛り込まれています。
背景と変更点
カナダ永住権申請のための待ち時間が長期化傾向にあるというニュースは過去数年来、多くの人々の耳に入っていることと思います。カナダ移民数は毎年25万人前後で推移していますが、2007年末時点で世界中の各カナダイミグレーションオフィスで審査待ちの人数が80万人を超えていることが分かっています。
すでに在庫だけで向こう4年分の移民数を持っているという大変な現状です。さらに悪いことに、新規の毎年のカナダ新移民の枠を超える人数の新規の申請が寄せられており、在庫数は減少することなく増加をたどっているのが現実です。
現在、技術労働者は平均4年待ちといわれ、カナダ移民人気にかかわらず、その審査時間の長期化はオーストラリアやイギリスなどに比して競争力を落としているとされてきました。
技術移民とその家族だけで全体の60%を占めますから、その審査には多くのオフィサーを必要とし、限られた予算の中での人材割り振りには限度があります。その家族クラス、特に両親の呼び寄せに長期の時間がかかるというしわ寄せが出ていることも、家族の再結合を移民法で優先としてうたっている政府の悩みでした。 今回の2008年予算には多額の移民関連予算が計上され、特に待ち時間の長いニューデリー(インド)やマニラ(フィリピン)では一時的にイミグレーションオフィサーの増員が計画されています。
先に移民申請の60%が技術移民申請だと説明しましたが、今回の改訂案の対象は特にこのクラスに絞られ、在庫数の削減、待ち時間の短縮化を狙ったものです。 現在の移民法では、カナダ政府はすべての技術移民申請を申請順に全員審査することが義務付けられています。この結果、カナダでの雇用がすでに決まっていない場合はどんなに高技術、高学歴を有していても、平均4年以上待たなくてはならないというジレンマがありました。
国によっても待ち時間に差はありますが、日本からの申請を扱うマニラは雇用オファーがない場合はすでに平均の4年は優に超えていると思われます。
このような現象は有能な技術者をカナダ労働界にタイムリーに有効活用できないばかりか、多くの場合、他国に優秀な人材をさらわれるという結果になっているのが現状です。
このたびの改定案はこの矛盾を改善することを意図して行われました。改定案によると、カナダ政府は国内の雇用の需要に見合った人材を優先的に扱う権利を与られます。すなわち、えり好みが出来るようになります。
この結果、たとえ先に申請していたとしても、自分の専門職、知識、経験が現在のカナダの労働市場で需要が高くないとその時点で判断されると、順番を後回しにされるか、申請自体返送されることになります。
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