日本とカナダ政府の間で1928年に外交が開始されてから、今年で80周年を迎えた。両国の関係は、政治や経済はもちろんのこと、文化芸術においても極めて友好で、長年にわたって相互理解を深めてきたといえるだろう。

今年は日加修好80周年を祝う行事が数多く予定されているが、その記念事業のひとつとして国際交流基金派遣による「邦楽カナダ巡回公演」が実施された。この公演は、4月22日から5月1日までカナダ全国5都市で各都市の日本大使館、総領事館の共催・後援のもとに行われた。

その中で、4月24日にモントリオール市立植物園内ヘンリー・トーシャー講堂で行われた公演をリポートする。

おりしも今年は同園内にある日本庭園設立20周年、モントリオール市と広島市との姉妹都市提携10周年を迎えるなど、モントリオール市にとっても日本との友好関係において節目となる年でもある。

 

未知の部分からパワーを

この公演の仕掛け人が、(株)ジャパンスタイルの代表取締役である小池満秀さんだ。

父親の仕事の関係で、小さい頃から全国各地を転居していたせいもあってか、日本各地に存在する伝統文化に興味を持つようになった。大学では比較日本文化論を学び、今の会社は2006年に立ち上げた。日本の伝統芸能を紹介するイベントを日本の国内外に向けて企画運営し、その普及に力を注いでいる。

「日本の歴史と伝統がはぐくんできた様式美を尊重しながらも、今に生きる自分達がそれを受け継ぎ次の世代に伝えていく、そんなきっかけを作っていけたらいいなと思っています。そのためには、ガチガチに形にはめるのではなく、ある程度の未知の部分を残すことによって、そこから思いがけないパワーが湧いてくる、そんな瞬間も楽しみながらやっています」と小池さんは語る。


そんな小池さんの呼びかけに賛同したのが、今回のツアーのために集まったメンバーだ。

公演は、沖縄の古典・祝儀舞踊として知られている「かぎやで風」で始まった。

「今日の嬉しさは、何に例えることができようか」と祝宴の座開きに踊られるもので、王朝時代には、長寿・富・子孫繁栄を込めた踊りとして国王の前で演じられたそうだ。

踊り手は琉球舞踊界のホープ西村綾乃(にしむら・あやの)さん。うっとりするような黒髪が印象的で「古典的な踊りを大切にしながらも、創作の幅を広げていきたい」と今後の抱負を語る。

演奏は、照屋林作(てるや・りんさく)さんと比嘉(ひが)いつみさん。

照屋さんは「沖縄の文化は、まずは祖先を大切にすることが基本なんです。こういった伝統文化も、祖先が僕達に残してくれた大切な宝だと思います」と言う。また、「ぜひ中国に行って、大陸から伝わってきた文化が日本ではこんなふうに変化して今に至っているんだということを見てもらいたい」と語ってくれた。

比嘉さんは、沖縄民謡ブームもあって、那覇市内にあるライブハウスでひっぱりだこの毎日だそうだ。彼女の奏でる琉笛の音色や独特の歌声はのどかで、穏やかに波打つ沖縄の海を思い起こさせる。